会長挨拶
拝啓
新春を寿ぎ、管内御寺院様におかれましては益々ご清祥のことと拝察し、謹んでお慶び申し上げます。平素は三重県曹洞宗青年会の様々な活動にご理解ご厚情を賜り、衷心より厚く御礼申し上げます。
この度、令和四年十一月の定例総会に於きまして関係各位のご推薦ご承認を賜り、第三十代会長を拝命させて頂くこととなりました。
当会には現在五十三名の会員宗師が在籍しており、その一人ひとりが多方面に精通し活躍をしております。このような素晴らしい人材ばかりの中、迂生わたくしがこの任に就かせていただくにあたり、とても粛然たる思いがいたします。
祖父、朝日泰峯老師を初代会長として、三重県曹洞宗青年会が発足されてから約六十年。御歴代の諸老師方が築き上げ脈々と受け継いでこられた歴史と伝統には到底及びませんが、お声掛け頂いたことに感謝し自己の研鑽に励むとともに、この二年間の任期を務めて参りたいと存じます。
さて、私達は二〇一九年に新型コロナウイルス感染症が発生して以来、ウィズコロナ時代を生きてきました。培ってきた知識や常識は、まるで玩具箱をひっくり返したかのように散乱し、対処の是非の判断でさえ儘ならない状態でございました。しかしながら、そのような状況下でも懸命に生きていこうとする人々の絶え間ない努力は、新しい生活様式に対応する形で様々なものを進化させていきました。
対面での接触が敬遠される中、社会的日常におけるオンライン化の加速もその一つです。一部企業では通常業務までも在宅からのフルリモートワークが可能となりました。当会でもこの二年間、前会長藤原祥寛師指揮の下、オンライン環境を用いた研修会や坐禅会などを企画し活動して参りました。
一方で、昨年は基幹事業の一つでございました『緑蔭禅の集い』を三年ぶりに松阪市海禅寺で日帰りにて開催し、坐禅や美文字講習、ヨガ体験などを通して二十九名の参加者の皆様と心静かな一日を修行させていただきました。また、コロナ以後、公演の機会が減少しておりました和太鼓集団『鼓司』も徐々に演奏のご依頼をいただいております。これもひとえに管内御寺院様並びに諸先輩宗師の皆様方のご支援の賜と感じ、心より厚く御礼申し上げます。
こうした各事業の再稼働と新事業の確立は、当会の活動の幅を更に拡げてゆくものと信じております。会員宗師各位には宗侶として和合の精神を護持し、調和を維持しながら今後の活動にご理解ご協力をお願い致します。さらに、本年十一月二十六日(日)に三重県総合文化会館中ホールにて、第四十七回東海管区曹洞宗青年会大会と併催で三重県曹洞宗青年会六十周年記念大会を開催いたします。
前期より発足いたしました記念大会事務局を中心に、青年会員一丸となり一層の精進を重ねるとともに、無事円成に向けて取り組んで参ります。管内御寺院様には広く檀信徒の皆様方にお声掛けをお願いし、足をお運びいただければ幸甚の至りにございます。何卒ご理解ご協力を宜しくお願い申し上げます。
末筆となりましたが、管内御寺院様の益々の仏法興隆と宗門繁栄を祈念し、就任のご挨拶とさせていただきます。合掌
三重県曹洞宗青年会 第30代会長
朝日 雄道